トレモロホリディ

「ミナト君…」


「ん?」


「私もね、自分の部屋に戻ってから、全然眠れなかったの。

一人でご飯食べてもおいしくないし、筋トレやっても楽しくないし。

毎日通勤で会ってるのに、なんか寂しくて。

もっとミナト君の近くにいたいとか思っちゃって。

だけど、そんな図々しいこと言えないし。

どうしようかって思ってた」


毎日ため息ばっかりついていた。


なんだか、心にぽっかり穴が開いたみたいになって。


「ホントに?

ミナちゃんも、俺と同じように思ってたってこと?」


ミナト君の問いに、私はコクンと頷いた。


「そか…。

なんか、嬉しい…」


腕に力を込めるミナト君に、私もぎゅっとしがみついた。