トレモロホリディ

え…?


ミナト君が私なんかと一緒にいたいって…。


どゆこと??


「実はさ。

ミナちゃんの部屋のエアコンが直って、一人で寝るようになってから、なんか全然眠れなくなっちゃって。

最初はね、猫がいなくなったせいかなって思ってたんだけど。

どうもそれだけじゃないみたいで…」


私もあんまり眠れなかったけど。


ミナト君も眠れなかったの?


「なんかすげー寂しくて、つまらなくて。

別にね、男と女がするような、そういうことがしたいわけじゃなくて。

ただ、ミナちゃんが隣にいると、安心して眠れるんだ。

勝手なこと言ってるのは、充分わかってるんだけど…」


男と女がするようなことって。


つまり、あのこと…だよね?


「こんな気持ちになって、俺もどうしていいかわかんないんだ。

こんなこと、女の子に言うなんて失礼だって百も承知だけど。

でもミナちゃんとは、男だからとか、女だからとか。

そういうの一切抜きにして、一緒にいたいなって…。


そう思うんだ…」


ミナト君の戸惑いが手に取るように伝わってくる。


でも、その気持ちがなぜかよくわかってしまう。


だって。


私も同じように思っていたから。