トレモロホリディ

「わざわざミナちゃんのアパート探して、こんな時間に来るようなヤツだよ?

相当、執着してるんじゃないかな。

居場所を知られちゃったわけだし。

またいつ来るか、わかんないよ?」


「えーーー?

そ、そうなのかな?」


やだよー。


ハッキリ言って、もう会いたくない。


会えば会うほど、嫌いになりそうだもの。


付き合い始めの楽しかった思い出だけ、そっと胸にしまっておきたかったのに…。


「ミナちゃん」


「はい?」


「アイツがまた、突然来たら困るでしょ?

だから、さ…。

前みたいに。

俺の部屋に、来ない…?」


え…?


今、なんて言った?


思わず顔を見上げると、ミナト君の白い肌が真っ赤に染まっていた。