トレモロホリディ

ハンバーグが残り少なくなった頃、先程の女性が温かいお茶を持って来てくれた。


ちょうど熱いお茶が飲みたいと思っていたところなんだよね。


すごく嬉しいんですけど。


「ねぇ、あなたってこのお店に来るの初めてだよね?」


「はい、そうです」


「よく来てくれたわ」


「今日この近所に引っ越して来たばかりなんです。

お腹がすごく空いてるのに、この辺りって全然コンビニがなくて。

困っていたら偶然このお店を見つけたんです。

もう、どれだけ嬉しかったかわかりませんよ」


私の言葉に、女性がにっこり笑う。


「あなたが美味しそうに食べてくれるから、私もすごく嬉しかったわ」


「だって本当に美味しいんですもの。感激しちゃいましたよー」


「本当?ありがとう」