ハッとして時計を見ると、21時30分を過ぎていた。


あ、いけない。


私が遅いから、ミナト君が迎えに来たんだ。


最近、考え事をしてばっかりだ。


しっかりしなきゃ。


私は一度深呼吸をして、扉を開けた。


「遅くなって…」


ごめんねと言いかけて、続きの言葉を飲み込んだ。


ドクンドクンと、心臓の鼓動が急激に速くなっていく。


うそ…でしょう?


どうして…?


ドアの向こうに立っていたのは、ミナト君ではなく。



もう何年も会っていなかった、



あの元彼だった…。