「ごめんね。ボーッとしてた!」


エレベーターの中で両手を顔の前で合わせて謝る。


くるみがエレベーターのボタンを押して待っていてくれたおかげで、すぐに乗ることが出来た。


「ほんっと!ゆきなはすぐ自分の世界に入っちゃうんだから・・・」


「だからごめんってば!それに、あたしそんなに自分の世界に入ってないもん」


そうくるみと言い合いしていると、1階に着きドアが開いた。


「ゆきな!」


降りようとした私にくるみが話しかけた。


「辛かったら・・・あたし、いつでも話聞くよ?」


不安そうな心配した顔でくるみが言う。


一瞬驚いた。


くるみがこんなに悲しい顔をするから。


「ありがと・・・でも大丈夫!それより、今日くるみママのごはん食べたいな・・・お邪魔してもいい?」


上手く笑えたかわからないけど、自分では笑って言ったつもりだった。


「・・・うん、わかった。


後でお母さんにメールしとく。」


少しの間があったけど、くるみは少し微笑みながらそう言ってくれた。