「ごめんね、今日はくるみの家に晩御飯食べにこのまま行くの。それにあたし一人暮らしだから親のことは気にしないで！」


なんとか笑顔で言い切ったつもりだ。


これでこの男も出てこられないだろう。


でも渡したいものってなんだろう？


スルーしちゃったけどまーいっか。


「そうなんだ。じゃあ仕方ないね。･･･一人暮らしか･･･」


堂本が残念そうに語尾の声小さくしながら答えた。


それはむしろ私には最後の一言だけ顔を曇らせボソッと呟いたように聞こえた。


「あっ、そうだ！」


くるみが何かを閃いたようだ。


しかし私は彼女の次の一言に落胆した。


「堂本くんも一緒に今夜晩御飯どぉ？」


あぁ・・・くるみ、あなたってつくづく私の邪魔ばっかりするのね。


たまにあなたのこと目障りになる時があるわ。


今がまさにその瞬間だ。


お願い堂本くん断って！


「ほんとに！？助かるよ。全然部屋の片付け終わってなくて、フライパンとか鍋とかもまだ買いに行けてないんだよな。でもにほんとにお邪魔しても大丈夫？急だし、迷惑かもしれないし･･･」


･･･やっぱり断らないのね。


「いいの！いいの！じゃあ帰ってママに一人分追加って言ってくるから、ゆきな部屋帰って堂本くんと一緒にあたしの家に来てね！」


「えっ！？ちょっとくるみ、待･･って･･･よ･･･」


くるみは走って行ってしまった。


あぁーあ、行っちゃった・・・


ほんとに破天荒な子・・・