恋愛?何それ?美味しいの?

祐也が選んだのは、諦める事だった。

まだ1年半あるのに、ここで男の敵を作るのは厄介だし、適当に嘘言ってそれが噂になったらそれこそ大迷惑だ。



「じゃぁ俺からな」

剛が勢いよく身を乗り出した。特に興味は無いが一応聞いた。最悪、脅しの材料になるからだ。

「やっぱ真美ちゃんでしょ!」

「えー、お前もかよ」

もう一人の男子が驚いた様に言う。剛はともかくこれは嘘。直感以外の何者でもないが、適当に流して終わらせられればそれに越した事はない。

これで2人消えた。祐也の番

「それで、谷井は誰なんだよ?」

何かハメられている感があるのだが…

「美紗さんかな」

「マジか!?てっきり真美ちゃんかと…」

唖然とする剛。まぁ普段のあれを見ていたら無理もない。

もう一人は、答える事なくこの話題は打ち切られた。

静まった部屋。

時計の針は、3時を指している。

「もう、皆寝ちゃった?」

祐也の声が虚しく闇に飲まれた。