俺はその場から去った。 酒井の奴…具合悪いんじゃなかったのかよ。 この…胸を刺す痛みはなんだ? 俺は、蛍のことが好きなのか? どうやって家に帰ってきたかもわからないくらい、俺は動揺していた。 「楓ー、おかえり」 「あ、楓だ。おかえりー」 そう言う母さんと姉ちゃんの声も聞こえないくらい、激しく動揺していたんだ…