仁志side

僕は大野仁志。中学校からずっと吹奏楽をしているが、それも、南々の助けがあってのこと。

僕と南々は、中学の時から付き合っている。僕のパートナーは、南々じゃないといけない。

それには、深い訳があるんだ…


ポンポン。

『仁志、今日の、部活、わたし達、視聴覚室、だって。行こう。』

そう、南々がしているのは、手話。

僕は中学2年の時、突発性難聴という病気になった。
発見が遅れたため、右耳は聴力を全て失い、かろうじて少しだけ聴力が残っている、左耳に頼っている状態だ。

『ありがとう。今、行く。』

聞き取りでは、限界があるため、手話での会話をしている。

しかし

手話ができるのは、学校では、担任の先生と、南々だけだ。