片思い

「知らないの当たり前や。内緒で付き合ってたもん」

「ふーん」

「十時は彼氏いないの?それか好きな人?」

真哉だよ て言えたらな。そんな度胸微塵もないけどね。

「好きな人ならおる」

「誰〜!?」

「・・・・・・」

しばし真哉の顔を見つめてみる。
気付け〜
気付け〜。

「俺の事好きなの?」

真哉が真顔で言う。

ドクン

私の心臓は高く跳ねる。
本当に気付いたの?

「......う」

「冗談だって!焦んなよ!」

真哉が私の鼻をつまむ。

「うん」
と、言いかけた私が馬鹿みたい。

「う、うるさい!焦ってないもん!」

少し期待した心の傷をごまかすように明るく返す。

「顔真っ赤w」

「暑いの!」


キーンコーンカーンコーン♪


真哉と喋っていたら授業があっという間に終わった。