片思い

時計は7時を回って、辺りはだんだん紫色に煙る。

「真哉・・・・」

もう来てくれやしないかも知れない。
それでも帰る訳にはいかない。
誤解を晴らしたい。
あの時のスタバの真相も聞きたい。
何より、このまま真哉と離れたくない。
終わりたくない。
真哉が好きだから。
譲れないから。

時は私を嘲笑うかの様にどんどん過ぎていく。
もうこの公園に着いて8時間経った。

10時、辺り一面真っ暗闇。
街灯でほのかに公園内は明るい。

目がひりひりする。
ずっと泣きっぱなしだから。

ガシャンっ

後ろのフェンスに何かぶつかった音がする。

恐怖が私を襲う。
恐る恐る振り返ると、
息を切らしフェンスにもたれ掛かっている

「・・・・・真・・・・哉!」

荷物を投げ捨て、フェンスへ駆けよる。

「馬鹿か。お前」

息を切らしながら呟く。