片思い

「お姉ちゃんも来なよー!」

さっきの子が私を手招きする。

私は砂場へ歩み寄る。

「みんな兄弟!俺が一年生だから二番目兄ちゃん、葵と生衣が双子で一番下が南!」

「それで一番上がお兄ちゃんなんだ?」

「うん!兄ちゃん高校生なんだ。俺ん家、母ちゃんも父ちゃんも居ないから兄ちゃんが全部してくれる」

「えらいね兄ちゃん」

「お兄ちゃんはねお母さんとお父さんを嫌いになるなって。辛くても笑ってればどうにかなるって」

「凄いね」

「お兄ちゃん凄い?」
「お兄ちゃん凄い?」

双子が同時に同じ事を言う。

「うん。尊敬する」

「そんけー?なに?」
「なに?」

「あ、もう6時だよ!帰りな!」

「「「「はーい」」」」

一斉に四人とも帰っていく。

辛くても笑え
・・・・・か。

四人の姿が消えて、公園は静けさを取り戻す。

またブランコに腰掛ける。
貰ったガーベラは真っ直ぐ空を見上げていた。