片思い

「ごめんね。どうぞ」

俯いたまま立ち上がる。

「あっ!そうだ!」

「?」

小さい男の子は何か思い付いた様に公園から出て行った。

しばらくしてまた男の子が戻って来た。

「お姉ちゃん!はい、お花!」

赤いガーベラを私に差し出す。汗をびっしりかいていた。

「あらら。こんなに汗かいて!ガーベラなんて気が利くね」

「兄ちゃんが言ってたもん。泣いてる人が居たら笑わせてあげろ!って」

「・・・・・・・ぐすっ」

小さな気遣いが
私の今ボロボロの心に
暖かく染み込む。
そして入り切らず目から溢れ出る。
涙となって止めどなく。

「なんでまた泣くの!?」
「あはは!嬉し泣きだよ。お花ありがとう」

「変なお姉ちゃん!」

泣きながら笑う私を不思議そうに見ながら、砂場にいる集団の中へ走って戻っていく。