片思い

「ありがとうです・・・」

缶ジュースを受け取る。

「敬語・・・使わなくて良いから」

「は・・・い」

「日高、十時さんの事本当に好きみたい」

山田先輩は缶ジュースを開け、一口飲む。

「そうなんだ。遊び程度って思ってた。。。」

私も缶ジュースを開けようとするが、
開かない。

「貸して?」

それを見た先輩が笑いながら私から缶を受け取る。
初対面なのに凄い落ち着く。
お兄ちゃんみたい。

「ほら開いた!」

「へへへ。ありがとう」

再び缶ジュースを受け取り一口飲む。

それから他愛もない話をして、30分くらいたったからもう一度プールへ向かった。

「今日、人多いね」

流れるプールに浮輪でぷかぷかと浮きながら、はぐれないように先輩が私の浮輪を掴んでくれている。

「本当だなあ。なかなか進めないなw」

その時、私の右手首を誰かに掴まれた。