次の日の昼休み

「よーし昼飯の時間だ!晶!奈菜!さっさと食べようぜ」

と祐希は教室に響く程の声で僕らを呼んだ

「ねぇ祐希はなんでお昼ご飯の時だけそんなに声がでかいの?」

「そうよ、そんなに大きな声で名前呼ばれると恥ずかしいって」

奈菜が恥ずかしそうに祐希に苦情を突きつける

「だって昼飯だぜ?テンション上がるじゃん」

「それでも、もう少し声のボリューム落とそうよ」

「次からは気おつけますよ〜だ」

「それ昨日も言ってた…」

そして一瞬で食べ終わる祐希

「もうちょっとゆっくり食べなさいよ」

無視して話しだす祐希

「そういや奈菜、昨日さ〜また晶がイケメンだったんだよ」

「え?なになに〜超気になる!」
なぜかノリノリ奈菜

はぁ…

「こいつ車に跳ねられそうな女の子助けてさ〜」
「王子…様…(キラキラ」
「って言われたんだよ」

「ちょっ祐希ぃ!!」

「それはイケメンだ」
笑う奈菜
「てか晶相変わらず無茶するねぇ〜あんまり無茶しちゃダメだよ?」

「わかってるけどさ…本当に危なかったからさ」

「あれ?噂をすればあの子昨日の子じゃね?誰か探してるみたいだけど…もしかして晶のこと探してんじゃね?」
廊下を指差していう祐希

「へぇ〜可愛い子だね〜あっこち見た」

やばいよ〜
あれは絶対昨日のことで僕のこと探してるでしょ…
女の子とあんまり関わるの嫌なんだけどな…
自分が女だってバレちゃうかもだし…

「長谷川くーん!女の子が呼んでるよー」
クラスメイトが声をかけてきた

「やっぱり僕を探してたのか…」
呼ばれたからには行くしかない

「「がんばれ〜・がんばってねぇ〜」」
(2人とも絶対楽しんでるな…後で説教だな)
ノロノロ廊下へ向かう

「あっ長谷川さん!」

「君は昨日の…」

「昨日は本当にありがとうございました!それで…せめてものお礼としてクッキー作ってきたんですけど…もらってくれますか?」

これはマズいって…
嫌な予感が…
顔に出ないように笑顔で対応しないと…

「お礼なんていいって言ったのに、でもありがとう」
あれー
なんで顔赤いんだよぉ…
これは本格的にやばそう
横向くと奈菜が呼べと口パクしながら手招きしてた

「あ〜廊下じゃなんだし教室入っていって」
これでいいんでしょ…

「いや…でも…」
超来たそうなんですけど…

「せっかく作ってくれたんだしクッキー食べながらおしゃべりでもしようよ」

「じゃあちょっとだけ」
顔はめっちゃ嬉しそうですよ?
女の子を連れて教室の中へ
クラスがざわつく
やめて…
そんなに見ないで…

「晶おかえり〜あれ?もしかして昨日の子?」
「わぁ〜この子がさっき言ってた晶が助けた子?」
2人ともとぼけるなよ…
後で覚えてろよ…

「そうだよ、立ち話もあれだし呼んじゃったけど大丈夫だった?」

「「もちろん」」

女の子をイスに座らせる

「そういや名前なんていうの?」
奈菜が切りだした
そういや僕も知らない…

「吉川…桜です…」

「桜ちゃんか〜私は⚪︎⚪︎奈菜!よろしくね〜」
「俺は⚪︎⚪︎祐希だ。よろしく」
奈菜に続いて祐希が自己紹介した

「僕はもう知ってると思うけど長谷川晶だよ」

「よっよろしくお願いします」
桜は少し緊張しながらそう言った

「ねぇねぇこのクッキー桜ちゃんが作ったの〜?食べていい?!」
おい
もらったのは僕だぞ?

「はい、私が昨日の助けてもらったお礼にと思って…美味しくないかもですけどどうぞ」

「いただきまーす」
だからなんで僕より先に食べるんだよ…

「ちょっ祐希!祐希!このクッキー超美味しいんだけど!!」
「マジで?俺も貰お〜マジだ…マジで美味しい!!」
すごい勢いでクッキーを食べる2人

「あ〜なんかごめんね…騒がしくて」

「いえいえ、仲が良さそうで羨ましいです」

「そう?普通じゃない?そういや吉川さんって2年生だよね?」

「はい!2年6組です」

「てことは商業科なんだ〜」

「そうですよ、長谷川さん達は普通科ですよね?勉強大変そうですね…」

「「そぉんなこぉとないよぉ」」

「食べながら喋るんじゃありません」

「「はーい」」

「そういや桜ちゃんって彼氏とかいないの?」
祐希が思い出したかのように問いかけた

「えっ?いやいやいやいや!彼氏なんていないですよ…はい…」

「マジで?!可愛いのに…じゃあさ!俺と…」ズコッ
祐希に奈菜鉄拳制裁が…
痛そぉ…

「ゆ〜う〜きぃ〜ちょっと向こうでお話しようか?」

「えっあっそのっ…冗談だって!」
引きずられる祐希…
自業自得だ

「あの〜長谷川さんは彼女いるんですか?」

「えっ僕?いないよ」
てかそもそも彼女じゃなくて彼氏いなくちゃいけないのに…

「そうなんだ…かっこいいのに…」
超嬉しそうなんですけど…

「あ〜っ!クッキーがない…僕まだ一枚も食べて無いのに…」
あいつら逃げやがったな…

「長谷川さん!あっあの!今度の休みの日に私とお買い物行きませんか?」

「え〜っと別にいいけど…」

「本当ですか?!じゃあ今度の土曜日とかどうですか?」

「うん、大丈夫だよ」

まぁ買い物ぐらいいいよね…

この時はそう思っていた
この買い物というなのデートが僕らの運命を大きく変えることになるとも知らずに…