大谷美咲SIDE
目の前に沢山並んでいる料理
どうしよう、スイーツ目的だけれど、
どの料理もおいしそう…!
早く料理を取りに行きたいとうずうずとしてしまうが、
今日は高野さんと一緒に来ていたことを思い出す。
しまった、高野さんのことを完璧に忘れてしまっていた。
おずおずと高野さんを見ると、
照「まずはサラダから取りに行くか?」
高野さんは、気にした風もなく、
私同様、お皿を片手にそう尋ねてきた。
『うん。早速行こうか。』
少しだけ言葉に甘えて、意識を料理に戻した。
目の前に綺麗に飾られたサラダにパスタ、お米や味噌汁もある。
和洋中、さまざまな料理が並べられているので、自分の好みを好きなだけ食べることが出来る。
私は気が付けば、高野さんを放っておいて、料理を取ることに夢中になっていた。
『…あ、あれ。』
ある程度料理を見て楽しんで、自分が取りたいものをとったところで気が付いた。
『あ、大変。高野さん…!』
照「どうした?」
きょろ、と顔を振り返り、高野さんの名を読んだら、思ったよりも近くから声が聞こえた。
『あ、良かった…。私夢中になってしまって…』
照「いや、折角なんだし、それくらい楽しんでていいと思う。」
ついて行ってたけど、なかなか楽しかったしな、と
高野さんは散々私に振り回されたのに、無邪気に笑ってくれる。
『高野さん………』
絶対モテますよね…
思わずでかかった言葉を飲み込んだ。
『食べよっか。』
照「あぁ。」
