「いってきまぁす。」




わたしは,笹浪星羅。





今日から高校生の私はわくわくしながら家を出た。




高校は,いろんな所からみんなくる。






私が,ずっと探している笑顔の王子様に会えるかもしれない。






そんな期待を胸の奥に,高校へ向かう。









〜10年前〜





「うぇ~ん, グスっ」




『どうしたの?』



これが,王子様との出会いだった。




「あのね,さっきね,グスっ お友達とケンカしちゃったの。」




『そっかあ,そのお友達はどこにいるの?』



「怒って帰っちゃったの・・・。」




『そうなんだ。でも今日はもう暗いから帰ったほうがいいよ。明日また謝ればいいから
さ。ねっ?』







その子の可愛い笑顔に思わずみとれてしまった。



「・・・・うん。」




『そういえば君名前何ていうの?』




「笹浪・・・星羅。」



『星羅ちゃん,可愛い名前だね。僕の名前は,竹岡優毅。じゃあ,またね。』




優毅君は,精一杯笑った。



私は,そのときに恋に堕ちたんだ。




きっと・・・。

 




「ありがとう。またね。」





私も,精一杯の笑顔で返事をした。





それから今まで,彼と会うことはもう無かった・・・。