あたしには、忘れられない人がいた。
いつも一緒に遊んでいた二人。

優しく、面倒見の良かった兄のような人と、茶目っ気たっぷりの気さくな人。
どちらが欠けても駄目だった。

だけどそんな幸せは長くは続かないと、幼いながらに知った。手の届かないところへ日々は遠のいていった。