「面白かったー!」
映画はファンタジーモノで不思議な妖精や魔法使いがたくさんでてくるお話だった。
とても面白く、興奮が収まらないでいる私を拓也は面白そうに眺める。
「なに?」
「いや、楽しんでるかな、と思って」
「楽しいよ!」
「ならいいけど。ほら、会えるのは休日くらいだし、会えるときは存分に楽しんでほしいんだ」
優しく笑う彼が本当にすきだった。
大学生になっても染めなかった髪は私よりも黒い。
大きくて温かい手。
ぜんぶ、ぜんぶ、大好きだった。
「夕飯なに食べる?」
「ハンバーグ!」
「お子様…」
「いいじゃん!それに、拓也も好きでしょ?」
この人とずっと一緒にいるんだ。
そう信じていた。
優しくてあたたかい
わたしの、大好きな人
