青葉が茂ったその桜の木はただただ揺れるだけで動こうとしない

私はその白い部屋で季節の変わり目を桜の木で感じ取っていた

この白い部屋に来てからそとに出たのは両手の指で数えることのできるくらい

いつからここにいるのかって言われると大分前からとしか答えようがない

この部屋は何もなくてたまにお兄ちゃんと弟と、お母さんとお父さんが来るくらい

皆忙しいらしくてなかなか来れない

部屋から出ることが出来るのは外出許可が出た時とこの院内の散歩の時位だ

いうのを忘れていたが私は生まれつきの心臓病と記憶障害をもっている

心臓が弱く少しの運動でも発作が起きてしまう

皆と同じ行動を取ることが出来ないし記憶も何の前触れもなくスポッと抜けて行ってしまう

そのため皆が言う普通の生活を送ることができないのだ

私の普通はこの白い部屋で1日中過ごすことだから