考えすぎて一日ボーっとしてたら気づいたら放課後になっていた。


無意識のうちに俺が進んだのは、社会科準備室。


あいつが、いるところ。


近づくにつれて楽しそうな声が聞こえてくる。


…面白くねぇな。


今更になってあいつに話しかけても、笑いかけても、もう手遅れなんだろうか。


何年も積み重ねてきてしまった何かが俺をビビらせる。


本当はもっと近づきてぇのに。


俺が笑顔にさせてぇのに。



大事に、してぇのに。


そんなことを考えていると木内の声がハッきりと聞こえた。


「……志田さん。話があるんだ。」



―――――――――――――――嫌な予感が当たったか。