「よーし、HRはじめるぞ」
そういった担任の声でハッと我に返った。
…また、知君のこと考えちゃったな。
考えてもどうしようもないことはわかってる。
これから私の望むような未来にはならないことも。
うん。明るくいかないと。
「…志田さん?聞いてた?」
「え!?あ。ごめんなに?」
隣の席の木内君だ。
普段あんまり話さないからびっくりした…。
「志田さんと俺、今日日直だから放課後社会化準備室の掃除よろしくだって!」
…そっか。今日日直か。
「わかった。ありがとう!!」
そういった先の木内君の顔がどこか赤かったのは気のせいだと、思う。

