「夏菜子…。」 何年ぶりに呼ばれたんだろう。 優しい香りに何年ぶりに包まれたんだろう。 「俺も、ずっと夏菜子のことが好きだったんだ…。」 切なく、甘く響く声。 これは、夢――――――? だって、ずっと避けてたよね? 私につめたかったよね? 「私は、嫌われてるんじゃないの…………?」 伝えれば、それですっきりできて終わってしまうものだと思ってた。 なのに、なのに。 こんなに幸せなことがあっていいんだろうか。