不器用幼馴染

カーテンを開けてこちらを見る知君の顔はすごく驚いていた。


それでも、何もいわずにドアを開けてくれて。


あのころに戻ったかのような錯覚を覚えながらベランダ伝いで知君の部屋へと入った。


すっかり変わった知君の部屋。

それでも変わらないのは知君の優しい香り。


もう、我慢できなかった。

伝えたかった。


長い間抱えてきたこの気持ちを。



「あのね、知君。私ずっと知君のことが好き、なんだ。」


はっきりと部屋に通る声。


恥ずかしすぎて顔も上げられない私をやさしい何かが包み込んだ。