本当に今更すぎて俺から話かけるわけにもいかずなんとも気まずい帰り道。


それでも夏菜子と二人で歩けることになんともいえない喜びを感じてる俺は正真正銘の馬鹿だ。


ただ、もうすぐ家に着く。


会話もないまま、か。


これが最後のチャンスかもしれないのに、告白すらできねぇビビリな俺。


そんなとき、夏菜子が口を開いた。



「知君、どうしたの…?って、いうか…ずっと聞きたかったんだ。私、知君に嫌われるようなことしちゃったかな……?」



…頭を殴られたような、そんな気分だった。


俺は、夏菜子にそんな風に思わせてしまっていたんだと今になって気づいた。


そして俺も、思わず言ってしまったんだ。




「俺はただ、俺だけを見て欲しかっただけなんだ」