「見せてよ」 久保先生が小突いてくる。 「先生なんかに見せたくないし。……だからって他に見せる相手もいないけど」 小さく付け加えた負け惜しみみたいな台詞。一歩下がって、線を引いた牽制の台詞。 「先生なんか、か。僕が先生って呼ばれていられるとはね」