そこで気づく。 ――――私多分、この人の顔を知っている。 何故だろう、とそれは分からなかった。だから、息を殺したまま彼の顔を見つめ続けた。視線に気づかれる、ということはそのときに限って忘れてしまっていた。 「遠野(とおの)さん、久しぶり」