夏物語


「やべ…」



2人ともはてなマークを浮かべてこっちを見ている。



「あぁ、こいつはなー…、朝、堂々と遅刻して   きた、宇都木 夏廉だ。」



昌大と心愛はもう、夏廉と大分打ち解けているみたいで、簡単な紹介をしてくれた。



「これからよろしくねっ♪
あ、あなたは…??」



そう言ってきれいな顔を崩さないまま笑い、握手を求めてきた夏廉。



ーードキッー…



鼓動が一気に速くなった。



「俺は、前島 優人。よろしく。」



これが、俺たちの出逢いー…。



あの夏の始まりだった。