「いやぁーーー」 「おい、神田?」 先輩の声も届かず、しゃがんで耳を塞ぎ、叫び続けた。 「こわい、こわい」 「神田!」 気がつけばあたしは先輩に抱きしめられていた。 「先輩?」 息を切らしながら先輩を見た。 「お前、暗所恐怖症だったんだな」 「先輩、離れてください」 「離れるわけないだろ」 先輩はあたしの背中をさすり、たまに叩いて落ち着かせようとしてくれた。