目を覚まして身につけるものすべて身に付け先輩の家から出た。


もうあれ以上一緒にいたらさらに悲しくなる。


「もう少ししたら体育祭だね」


早苗のそんな会話も今は耳にも入らない。


そしてあたしは、意識を失った。



気づけばあたしはなにもない空間にいた。


そこにいたのは、先輩と麻実さん。


2人は楽しそうに笑いながらあたしの前から去っていく。


それをあたしが走って追いかける。


届かないのにそれなのに走って走って追いかける。


……これって今のあたし?


先輩との恋は実るはずないのに追いかけて追いかけて……


届くはずないのに。



目を覚ますと、白い天井が見えた。


今のは……夢?


「あら、気がついた?」


保健室の先生があたしに近づいてきた。


どうやらのここは保健室らしい。


学校にいたんだ……


「神田さん、少しストレス溜まっているんじゃないの?」


保健室の先生が心配そうにあたしを見る。


「そんなことないですよ」


あたしが軽く笑って言うと。


「そう?あたしには無理しているように見えるけど」


「凛大丈夫?」


先生に大丈夫ですよ、って言おうとしたら早苗が保健室に入ってきた。