二重人格の彼


「兎に角、早く終わらせんぞ」


櫻井先輩がテキパキ終わらせていく。


その姿が異様にかっこいい。



それから30分後、全部終わった。


「やっと終わったな。」


先輩が微笑んで言った。


その顔にもドキッとして……


もしかしたら、あたし……先輩のこと……好きなの??


いや、ないない。


あのストーカーだよ?


好きになるはず……


「神田、帰るぞ」


じゃあなんでドキドキするの?


ズボンのポケットに手を突っ込み歩く先輩の背中を見て思った。



あの後、あたしは先輩に送ってもらった。


あたしはケータイを手に取り電話をかけた。


「もうなによ、今忙しいのに」


かけた相手は早苗。


「相談したいことあって」


忙しいと言っておきながらちゃんと最後まで話を聞いてくれた。


そういうところは優しい。


あたしは、先輩を見るとドキドキするとか相談した。


「凛、それは恋よ!!」


電話越しでも興奮しているのがわかる。


「告白はするの?」


「出来るわけないじゃん」


振られて関係が潰れたくない。


「だよね、彼女いるしね」


「え?」


今なんて……


「だから、彼女いるんだって、あの会長さん」


彼女ってもしかして……


「確か名前は、立花 麻実だったと思うよ」


やっぱり麻実さんだ。


「立花って言う人が告白したんだって」


どん底に落とされた気分だった。