二重人格の彼




「神田!これもしとけ」


あれから2週間、毎日のように生徒会室に連れていかれる。


麻実さんは、あれからずっとべったり。


いいのか悪いのか…


けど、そのせいで会長とはあまり話さなくなった。


「わかりました。しておきます。」


そういった時にはもう会長は麻実さんと仲良く喋っていた。


あたしここにいる必要ないよね??


頼まれたのは資料の整理。


しかもたくさん。


相当時間かかるな。



資料を整理し始めて、2時間がたった。


半分は終わった。


外を見るともう真っ暗だった。


あともうちょと、そういうところで資料室の扉が開いた。


「まだやってたの?」


会長が入ってきた。


「麻実さんは?」


「2時間前に家に帰らせた」


一瞬、よかったと思ってしまった。


「あとどれくらい?」


会長があたしのとなりに来て溜まっている資料を見る。


「会長、近いです」


肩と肩がくっつくくらい近い。


「いい加減いつになったら、呼び方変えてくれんの?」


久しぶりに目が合った。


「えっ?」


「会長ってやめてほしいんだけど」


「じゃあなんて呼べば………」


「今のところは櫻井先輩」


櫻井先輩……


今まで、ストーカー生徒会長とか言っていたから違和感しかないな。


……ていうか、


「今のところは??」


「あぁ……なんか問題でも?」


「い…いえ……」


今のところっていうのかすごく引っかかる。