土砂降りの雨の中を、私は傘もささず、上を見上げながら歩いていた…。
周りは皆傘をさしているから、私は変人扱いだ。
小さい子供は「あのお姉ちゃんどうしたの?」と母親に聞き、その母親は「傘が無いのよ。哀れねぇ…」と私を侮辱する。
別に傘が無い訳じゃない。たださしたくないだけなのよ…。
雨は止み、私はさっさと家へ帰る。
雨が好きなのは、あんな恋をしてしまったからよ。
それが悪いって言うの?
傘なんて要らないの。
それがそんなに変?
皆が皆、私の悪口を言っているように思えた。
空も、花も、犬も、石ころでさえもヒソヒソ悪口を言っているように考えてしまい、耐えきれなくなった。
何であんなに悲しい恋をしてしまったの…?
何で居なくなっちゃったの?私のせい…?