私の手首を掴んだ手はそのまま私を引っ張った


あ、人ごみから出られた…よかった…

でもその手はまだ私を強く引っ張って

「え、きゃっ」


その人に抱きしめられる形になってしまった


その人は温かくて…居心地がよくて…
私の胸はドキドキと高鳴った


「あ、ごめん…こんなつもりは…なかった…」


「こ、紅田くんっ…!」


優也は私を見て少しさみしそうな笑顔を浮かべた


「離れちゃったね…」


「うん…」


私はとっさに携帯を取り出した

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