真紀side

優也がこっちを向いた

「あ、花野か…」


「うん…なんで、教室から飛び出して行ったの…?」


ああ、ダメだ…優也…

好き…


なんで届かないんだろう…

大好きなのに…


「花野には関係ない…ごめん…」


そーだよね。私、今は亜希じゃないもんね…

「そっか…」


「俺、亜希がいないと、俺じゃなくなるんだ」


「え?」

「亜希がいないと生きていけないんだ…」

もう…言ってしまおうかな…

私が亜希だって……


「私…本当は亜希なの……」