パッと目に留まったのは、
『紅田優也』の文字。
「優也も…A組だ…」
私の大切な人…
大切な彼氏…大好きだった…
その気持ちは今になっても変わるはずがない。
「真紀〜私と同じクラスじゃーん!」
「あっ!加奈!?」
「えっ、どーしたの?改まって」
私はこの子…西本加奈(にしもとかな)を知っていた。
中学一年の頃に、委員会が一緒になった子だ。
あまり喋ったことはないが、悪い噂は聞いたことがない。
真紀と仲がよかったのだろうか?
「あ、いや、なんでもないよ。同じクラスでよかったね〜」
とにかく、真紀になりきる。
「あっ、紅田くんだ!」
「えっ!?」
私は驚いて、加奈が見る方を向く。
