ピクッ!
と何かに反応した様子の国王

「クローズか?」

辺りに電話のような物は無いが
国王は話し出した

「おう、ジジイ今キルと合流した
南方の街に向かってる
キルが別の敵と遭遇したらしい」

走りながら同じく周りに何も無いが
話し出しすクローズ

「何じゃと?」

眉をピクッと動かしながら
険しい顔になる国王

「相変わらず便利だなーそれ」

当の本人であるキルは
横で目をキラキラさせながら
のんきにクローズの横を走っている

「お前が使えないのがおかしいんだよ
てかそんな事よりジジイに
報告してやれ」

クローズはため息を吐きながら
キルに言った

「おう、相手はミラって名前だ
顔まで布で覆ってたから
特徴は掴めてない…あいつは
俺の首を狙ってたみたいだ
傷を追わせたら見たことも無い
技使って逃げやがった
南方にいる奴らの事は何も
言ってなかったが関連性は
あると思った方がいいかもな」

キルは走りながら国王に報告をする
聞いた国王は

「ふむ…とにかく無事で何より…
お前の首を狙って来たと言う事は…」

と言いながらより険しい顔になる

「あぁ…恐らくあれだろうな…」

キルが言うあれとは何なのか
ミラも言っていた力の事だろうか

「一先ず殲滅にあたり、事態終息後
一度ワシの所に来るように」

言って国王は通信らしきものを
解除したらしい

ドゴオオォォン!!

突如南方で大きな音が鳴り響いた

「!!」

「急ぐぞ!」

状況は芳しくないようだ
速度を上げる二人

国王は瞳を閉じながら呟いた



―――始まってしまったか



…と