「ごちそうさま!」

キルは昨日に続き
ルカの家でお世話になっていた

「片付けが終わったら
散歩でもしようか?」

ルカは食器を片付けながら
キルに言った

「おーいいな!片付け手伝うよ」

「ありがと」

二人は片付けを済ますと
家を出た
外はすっかり夜だ
ルカは街から少し外れた
場所に歩き出した

「そういえばルカは親はどうしたんだ?」

キルはふとそんな事を口にした
そうルカは一人で暮らしているのだ
歳も歳だからおかしくはないのだが

「………」

ルカは少しうつむくと
静かに口を開いた

「私の親ね…殺されたの」

「…!悪い、聞かない方が
よかったな…」

寂しそうな顔をしているルカに
キルは罪悪感を感じた

「ううん、大丈夫だよ」

ルカは少し無理した笑顔で言った

「…俺には物心ついた時から
親がいないから家族を失う
辛さをわかってやれないけど
ジジイやクローズが死んだら
って考えただけで辛いな…」

「そうなんだ…その二人は
大事な人達なんだね!」

「ああ…血は繋がって無いけど
大事な人達だ…」

「ふふっ…羨ましいなっ」

ルカは切なそうな顔をした

「…ルカにはそういう人いないのか?」

「いないなー…でも今はキルが
いるから寂しくないよ」

ルカは照れ臭そうに言った

「っ…」

キルは言葉を詰まらせていた

「ふふっ、戻ろっか!」

ルカは言って来た道を戻りだした

「あ、ああ…そうだな」

キルは後に続いて歩き出した


―――――――


翌日、本選が始まるため
キル達は再び闘技場に向かっていた

「優勝してね!応援してる!」

ルカは笑顔で目をキラキラさせていた

「おう、行ってくる」

キルは笑顔で返すと
闘技場内に入って行った