「そこまでー!!
Aブロック勝者は
まだまだ余裕を見せる
キルド・エンカ選手ー!!」

わあああ!!!と
沢山の歓声が沸いた

「…こんなもんか…」

キルはあっという間に
選手達を薙ぎ倒し
あっさり予選突破した

「それではBブロックを開始します!
選手の方達は闘技場内に
入って下さい!」

そう放送が流れると
キルは闘技場を出た

「キル!」

闘技場の外で声をかけてきたのは
ルカと言う少女だ

「ルカ!」

「凄いよキル!本当に強いんだね!
私驚いちゃった!」

ルカはぴょんぴょんと
跳び跳ね嬉しそうな顔をした

「サンキュー、一先ず予選突破だ」

キルは軽く拳を突き出すと
笑顔でそう言った

「本選はいつからなの?」

「全ブロックが終わったら
トーナメントの抽選があって
本選は明日みたいだ」

「そっか!じゃあ今日も
一緒にご飯食べよ?」

ルカは少し首を傾け
にっこりと笑って言った

「…悪いな、助かる」

キルは顔を反らした

「また顔反らす…あ、そうだ!」

と言うとルカは持っていた
袋をがさがさとしだした

「はいこれ!たい焼き!
買っておいた!予選突破祝い!」

ルカは笑顔でたい焼きを
キルに差し出した

「うおーー!!丁度食べたかったんだ!
ありがとう!」

キルは嬉しそうにたい焼きを
受け取ると食べ始めた

「ふふっ…」

ルカは少し笑った


――――――


「さあ!予選終了です!
本選に出場する選手は
闘技場内に来て下さい!」

どうやら全ての
ブロックが終了したらしい

「よし、行ってくる」

キルは放送を聞くと
闘技場内に向かった

「それでは抽選を始めます!
先ずはAブロック勝者
キルド・エンカ選手から
お願いします!」

「っと、はいはい」

キルは抽選箱をがさがさとし
中に入っているカードを取り出した

「Bだ」

「キルド・エンカ選手!
第ニ試合Bブロック!」

それから他の選手も
カードを引き
次々とトーナメント枠が
埋まっていった

「それではこの順番で
本選を行います!
明日、10時から
開始となります!」

そう放送が流れると
観客達はわらわらと
帰り始めた

「さて、帰るとしますか」

キルは闘技場を出て
ルカの元に向かった

「お疲れ様!帰ろ!」

ルカは手を振ってキルに
近付き駆け寄った

「おう」