「只今より、闘技大会を
開催します!選手の方たちは
集まって下さい!」

役員がそうマイクで叫ぶと
わあわあと騒ぎ声が上がった

「っし…行ってくる!」

選手の一人であるキルは
ルカと言う少女にそう言うと
駆け出していった

「頑張ってね!」

ルカは笑顔で手を振り
キルを見送ると観客席に向かった

「この大会は予選と本選に
別れています!
まずはブロックごとに分けた
コロシアム戦です!
銃器や刃物は禁止!
最後まで立っていた一人が
本選出場となります!」

役員はそう言うとブロックごとに
選手番号を呼び始めた

「――210番!Aブロック!」

「俺はAブロックか…」

キルは自分の選手番号と
ブロックを確認した

「以上です!それでは
先ずはAブロックから!
選手は闘技場に入って下さい!」

大きなドーム型の闘技場は
二階が観客席になっていた

キルは闘技場内に入ると
軽く準備運動を始めた

数は50人程度
50人が入っても
スペースに余裕がある
これが八ブロックに
別れていて勝者の
八名で本選を行うようだ

「それでは闘技大会予選!
Aブロック!開始です!」

ピーー!!!と
笛のような合図と同時
選手達は拳を交わし始めた

ダッ!

「おらあ!!」

「!」

キルの背後から筋肉ダルマのような
大男が拳を握り向かってきた

「よっ」

キルは軽く後ろに拳を振るうと
大男の顔面にヒットした

ベキィッ!!

「がっ…!!?」

あまり聞きたくない
音を鳴らし倒れる大男

「さて、暴れるか」

キルはにやりと笑うと
静かに歩き出した