フェンス越しの彼はとても遠い。
校舎へ向かう他の生徒も、私なんかに目をくれる人はいなかったから、油断して思わず思ったことをそのまま声に出してしまっていた。
男女交際禁止なんて校則があるこの学校にいる限り、好きなんて口が裂けても言えないけど……。
「ふーん……。アイツのこと、好きなの?」
「うん……、って、え、な、えええっ!?」
突然隣に現れた男子生徒に全く気付いていなかったせいで完全に無防備な状態だった私は、その男子の問いかけに思わず素直に頷いてしまった。
ば、バカ……っ!
うん、って、何を素直に頷いてるの、私……っ!
この学校は恋愛禁止なんだって、今まさに考えていたところだったじゃん!!
「あ、あの、違、くてっ……!好きっていうのはそういう意味じゃなくてですね……っ」
バッ、と慌てて、問いかけてきた隣の人を見れば、なんだかどこかで見たことのある顔をしていた。


