「それと一緒。……部活してるときにたまたま見かけた女子のこと、好きになっちゃったんだよ。喋ったこともない。学年も名前も知らない。一瞬目があっただけ。それなのに、って自分でも思うけどさ。
……でも」
卯月くんはそこで一旦言葉を切ると、ずっと前に向けていた視線を急に右側に────、私に、向けた。
「……好きだと思ったんだ」
こころなしか、そう告げた卯月くんの声は、微かな甘さを含んでいるような気がした。
まるで、好きな相手に対する気持ちが隠しきれずに滲みだしてきているようだと思った。
「……そ、そうなんだ……」
唐突にぶつかった視線にたじろぐ。
……なんだか強いよ。
熱いよ。
卯月くんの、まっすぐな瞳が。
────その言葉の先にいるのは決して私じゃない。
そんなことは分かっているのに、卯月くんの言葉が耳に届いた瞬間、心がどうしようもなくドキンと跳ねた。


