「だから、モカはあだ名だってことは分かったけど。本名は?」
「……え」
ああ、なるほど。
で、にはそういう意味が含まれていたのか。
なんて納得するよりも、唐突なその質問に驚いてしまった。
────私の名前なんて、興味ないんじゃなかったの?
「……こ、小嶋です」
何故か妙な気恥ずかしさに襲われた私は、自分でも無意識のうちに苗字だけを答えていた。
なんだろう、このむずがゆい感じ。
「小嶋、なに?」
私の答えに間髪いれることなくその先を促す卯月くん。
見えない圧力をかけられているようで、それに私なんかが耐えられるわけもなく。
「……小嶋桃花(こじま ももか)、です」
なぜか感じる敗北感。
キュッ、と買ったばかりの紙パックを両手で握りしめて答えると、「あー、なるほど」と彼は笑った。


