「え、あ…はい。そうですけど……何か…?」




私は突然の訪問者におどろきながら
行き場を無くした判子をポケットに滑り込ませた。




「あ、いきなり申し訳ありません。

実はあなたに頼み事がありまして…」




「………頼み事……?」




まさか、何かのセールス?詐欺?




私は少し身構えた。




「あ、大丈夫です。セールスじゃありませんから。身構えないで。


私、こういうものです。」




彼は情けなさそうに笑って名刺を差し出した。