横になって初めて気がついた。
隣のベットにカーテンが引かれていることに。
窓からの光によって、そのカーテンにシルエットが映し出されていることに。



床に視線を落とすと、明らかに同色の上履きが並んでいた。唯の学校では同学年の生徒は皆同じ色の上履きを履いている為、おのずと同学年の誰かだということが予想できた。


今の今まで保健室に居るのは自分一人だと思い込み、独り言のような言葉を発していた自分が、甚だ恥ずかしくなって思わず赤面する。


唯は名前を確認しようと、ベットから身を乗り出した。








「唯。」







心臓ははち切れんばかりに大きく脈打ち、顔を上げずにはいられない。






「あ。」




カーテンの向こうから顔を覗かせていたのは、




朝倉愁であった。