君色ラプソディ

先程からしきりに携帯が鳴っているのは分かっていた。相手が成海だと言うことも、取らなければならないことも。


そのうち、留守番電話サービスに繋がった。


記録された留守電を恐る恐る、聞いてみる。





「あ…えと、私、成海だけど…具合はどう…?あのね…話したいことがあるの…明日…もしも学校にきたら、昼休みに西階段で待ってる…」
メッセージはそこでプツリと切れていた。


麻衣子はぎゅ、と携帯電話を握りしめる。





「私も…成海には話さなくちゃ…」
唇を強く、噛み締めた。