「好きだよ。」
ふっと、張りつめていた糸が緩んだ気がした。



「こっちに戻ってこれるって聞いた時、素直にアイツに会えるって、嬉しかった。電話とかメールなんかじゃなくて、ちゃんと顔見て話せるって。何年も会ってねぇから、アイツ絶対可愛くなってるよなって。色々考えた。」

凍てついた氷が溶けていく様に、成海の心の奥がじんわりと暖かくなる。
「じゃあ…告白しないの…?」



「気になる子が、出来たんだ。」


一瞬にして、目の前が暗くなった。










その日、成海は震える指で、リダイヤルのボタンを押した。