「気にすんなよ花蓮、お前はここにいていいんだからな。」
俺は花蓮に気を使いそんな風に声をかけた。
「別に気にしてない。慣れてる。」
無表情でいう花蓮だったが、このとき心が悲しんでいるのは痛いほど伝わってきた。
こういうときかっこいいやつならどうやって花蓮を励ましてやるんだろう。
キスしてやる?
抱きしめてやる?
ダメだ、両方俺にはできない…。
「か、帰るぞ。ほら。」
俺はそういうと、花蓮に手をつなぐよう差し伸べる。
すると、花蓮は何も言わず俺の手をにぎる。
予想以上に冷たい花蓮の手には、恐怖からかにわかに手汗が湿っていた。

