教室に戻ると、クラスはLSLの話に持ちきりだった。



先生さえも必死で自分のLSLを確認している。



こう見れば人間ってバカな生き物なんだな。

LSLを見ていない俺は客観的にこのクラスの愚かな光景を見ることができた。




「ごほん!まあ、LSLの突然の導入でみんな混乱していると思うが、これからはなるべく男女間距離を置かないとな。席順もポイントでみるか?」



先生はそう言ったが、クラス全体は賛成しなかった。


スキルポイントは個人情報でありプライバシーにさえ関わると思う者が多いからだった。



「なあ、圭一、お前スキルポイントなんぼ?」



こいつは離れた席を立ってまで俺のところにきている慎二。




「なんでいわなきゃいけないんだよ。」


「まあまあ、親友として気になるじゃんかー。」




慎二はニヤニヤしながら俺に肩を組んできた。




「はあ?親友とかじゃねえし…。」



「冷たいなあ圭ちゃん!ほら、俺のLSL!」





俺はビビった。



慎二のポイントは94…。



これって何点満点だったっけ…、ああ、やっぱり100かよ。




「なんでお前がこんなたかいんだよ!」